2006-01-20 11:57 | カテゴリ:アトピー
 アトピーと心の関係は大事だと思うけれど、私は特別重視しない。
 よくアトピーを良くする為に、気持ちをポジティブに保つ、とかいうけれど、はっきり言って重症アトピーの人には無理だ。24時間痒みと痛みにさらされ、眠りすらもままならず、体も心も疲れきってしまう。気持ちは痒みと痛みとの戦いに終始し、人間としての清潔を保つのと、生命維持の食事をするのがやっと。はっきり言って、何も考えられない。

 健全なる肉体に健全なる精神が宿る。

 昔から言われていた言葉だ。健康でなくなったら、心だって病気になってしまう。それを超越していくなんて、90%以上の人が無理だと思う。
 私達は現実を生きている。頭では、痒くても我慢しなきゃ、とか、こんな時はポジティブに、とか思ったりするけれど、現実は出来ない。現実を否定して、超越した「ポジティブ」についてあれこれ考えてみても、上手く行かない。それより、ポジティブになれない、というのを前提に物事を考えていかないと、解決の道は開けなのではないかと思う。

 病院に勤務していた時には、いろんな患者さんを見てきた。よく、心臓病の人は神経質、とか裏でこっそりみんな言っていたけれど、自分がアトピーになってみて、そうじゃなくて病気が先なんだ、と思った。
 痒みと痛みと戦っている時は、当然苛立っているし疲れているから、怒りっぽくなるし、神経質になるし疑い深くなる。私だっておおらかな気持ちで笑って許したかったことがたくさんあるけれど、そんな精神状態ではなかった。
 
 確かに世の中には、自分で病気を作り出す人がいる。
 異常は無いのに、熱を測っても、36.2度で
「いつもは35.5度くらいしか熱がないから、おかしい。氷枕を作って欲しい」
と言っていた人もいた。
 検査しても検査しても、
「おかしい筈なのに」
と、自分の健康を信じない人もいる。
 けれど、こういう人達はごく少数だ。

 重症アトピーは精神論だけでは解決しない。
 確かに免疫が絡んだりするし、ポジティブでいる事はいろんな意味で大事だと思うけれど、私はそれ以上に大事だと思うのは、現実的にアトピーを治してしまう事だと思う。体が健康を取り戻せば、気持ちだって健康になる。精神的にも傷つきにくくなる。

 私はアメリカから帰ってきて、多少なりとも性格が変わったと思う。やっぱりおおらかになった。体力も出てきたし、夜もぐっすり眠れるからストレスも少ない。アトピーの悪循環を絶つ事が出来たから、いい循環にも入ってきたんだと思う。自分に余裕が出てきたから、周りにも優しく接する事が出来る。
 アトピーは性格をも変える。
 だから、子供や学生の人のアトピーはとても心配だ。人格形成の大事な時期を苛立ちで過ごす事は、マイナスだと思う。

 重症アトピーの人の中には、自分の性格が悪いからアトピーになったんだ、とか、罰を受けているような気持ちでいる人がいると思う。私もそんな気持ちになった事がある。
 神様、私、何か悪い事しましたか?
と。
 でも、今はっきり言える。そんな事はない。
 人間、多かれ少なかれいろんな罪を犯しながら生きているものだし、自分より悪い事をして罰を受けるべき人はたくさんいる。だから、自分が悪くて病気になったわけでは決してない。
 病気は、ただ単に、「病気」なだけだ。

 だからまず、体を治す事を最優先して欲しいと思う。全てはそれからではないだろうか。

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